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2002年。集英社の雑誌「Seventeen」で圧倒的な人気を誇っていたモデル鈴木えみの1stフォトブックを撮った。えみが「ママ」と慕う編集者Tさんと入念な打ち合わせをし、撮影の小道具製作など時間とお金をかけた。撮影は東京でのロケとスタジオ、それとLAに1週間のロケ。1ヶ月のほとんどがこの撮影で埋まった。
17才のえみは大人と子供の間を激しく行き来し、そのどちらも魅力にあふれていた。その彼女を撮ることへの緊張感は大きいものでそれについてはブログに書いたことがある。→ブログのページその後も「PINKY」で、そのピンキーがなくなってからも他の雑誌でよく会う。そして彼女を撮影するたびに、この頃の彼女やこのフォトブックの撮影を思い出してしまう。生き急いでいるかのように慌てて大人になろうとしている彼女の横で「大人は嫌いだ」とささやくもう一人の鈴木えみがいて、こわれそうで、強がりで、思春期の少女が持つそのオーラを、どう表現すればいいのだろう。そしてどう表現すれば良かったのだろう、、、反省は絶えない。そんな彼女も今ではこの頃の疾走感とは真逆のゆったりとした空気感を持つ女性であり、なによりも彼女の目は年月とともに不思議な力を持ち、全てを見透かしているようで時としてその目に怖さを感じることもあるほどだ。